日経平均・日足は「小陽線」となった。終値は2万7923円37銭。窓を開けて上昇しており、買い意欲の強さが示された。
一時は400円以上高い場面もあった。前日の米国株市場ではNYダウが朝方こそ売りに押されたが、午後の取引ではおおむねプラス圏での推移を続けた。これを受けて東京市場もリスクをとる動きが強まったが、終盤に上げ幅を縮小し、終値での2万8000円台乗せはお預けとなっている。
前週末に発表された3月の米雇用統計は総じて景気の強さを示す内容で、5月3日までの日程で行われるFOMCでは25ベーシスの政策金利引き上げが濃厚となった。
週明けの米国株市場ではこれがいったん嫌気されてNYダウは安く始まっいたのだが、その後は思い直したように買いが入り始め、結局取引終了後時には100ドルあまりの上昇となった。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数のほうは、金利上昇が足かせとなってわずかにマイナス圏で引けたが、午後の取引では一貫して押し目買いを誘導した。
ちなみに米債券市場では長・短期債ともに売られる展開となり、米10年債をはじめすべての年限利回りが上昇した。逆イールドの象徴となっている2年債は再び4%台に乗せている。少し前なら「グッドニュースはバッドニュース」で米雇用統計の内容はFRBの利上げが長期化を警戒するというロジックで嫌気されるところだが、今はリセッションが最も懸念されているため、景気が強ければ株市場にとっても好材料となる。
そうしたなかもインフレ圧力は弱めであることを暗示する内容であったことが結果として幸いした。
東京市場でも今日はこの流れを受けてリスク先行ムードのなか始まったが、もっともこちらの方は前日の米国株の動きよりももっとポジティブに作用する材料があった。
それは前日の夜に行われた植田和男・日銀総裁の就任会見である。植田氏は当面は黒田前総裁の政策路線を踏襲する方針を示しYCCの継続を肯定、マイナス金利についても「強力な金融緩和のベース」という位置付けで、否定的なニュアンスを一切含まなかった。
近い将来の政策変更に向けた動きに身構えるマーケット関係者にとって、拍子抜けするほどハト派色の強い会見であったことが、この日の株式市場の強い地合いを演出した。
日本工作機械受注は前年同月比15.2%減の1410億1600万円と3か月連続で下回った。前月比では13.6%増だった。
監視銘柄
(4503)アステラス製薬 1925 +6.5 (+0.34%)
(7203)トヨタ自動車 1826 -1.5 (-0.08%)
(3003)ヒューリック 1123 +18 (+1.63%)
(9433)KDDI 4030 +19 (+0.47%)
(7189)西日本FH 1109 +1 (+0.09%)
(8766)東京海上 2613.5 +25.5 (+0.99%)
(8593)三菱HCキャピタル 681 -1 (-0.15%)
(6178)日本郵政 1081.5 0 (0.00%)
(1928)積水ハウス 2652 +18.5 (+0.70%)
(4005)住友化学 453 +4 (+0.89%)
(5929)ENEOS 471.2 +8.2 (+1.77%)
(5334)日特殊陶 2702 +18 (+0.67%)
取引 無